約 2,307,415 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2848.html
日曜。大抵の人は休日としてこの曜日を満喫するだろう。 ある者は家でのんびり、ある者は気晴らし外出、あるいは他の事…? まぁ、それは人それぞれに任せるとしよう。 ちなみに俺、『獅子堂 竜馬』の場合は秋葉原へプラモ物色しに行く。自転車で。 (むぅ…迷う) 俺はそんなことを思いながらアキバの某量販店にてプラモの品定め。 しかし、たとえいざ決まったとしてもなかなかレジに向かえないのはいつもの事だ。 ガチで欲しいと決めた奴はすぐ購入に移れるが、ふらりとやってきてピンときたのを手に入れるときはいつも足踏み… 「…別の店に行ってみよう」 結局保留だよ。 俺のアキバでの探索場所は専ら量販店か中古ショップだ。あとア○メイト。 メイド喫茶?行かねぇよ高いらしいし。 思えば、高校に上がってからアキバに来るようになったな… 資金は使い道が見つからないまま貯まっていったお年玉やお小遣い、あと偶然拾ったりする小銭。 多少デカイ買い物する位はあるが、なんか怖くて迂闊に使えない… ちょくちょくガ○プラとか買ったりはしているが、まだ有り余ってるよ。 郵便局預けによる利息で微妙に膨れているから、PCいけるんじゃないかというほど。 中古ショップに寄ってみるも、目ぼしい品は今のところ無い。 ある日に行ったら置いてあった品が、次の週に行ったら消えてる、なんてことは中古ショップではあることだ。頻度は知らんが。 それでも一昔前のプラモを手に入れたことはある。確かア○シマの金ピカガ○ファ○ガー(ゴル○ィオン○ンマー付き)だったはず。 そんなこんなで中古ショップを出た俺は、気分的にふだん行かない店に向かってみることにした。 プラモかフィギュアの売ってそうな店を探していると、ある店に目がとまった。 ほとんど客のいない店内を少し覗いてみると、見かけはすれど詳細はよく知らなかったものが売られていた。 店に入って「あぁ…、そういやこんなのもあったな」と心の中で頷いた。 『武装神姫』、巷で話題になってるとかいう少女型のフィギュアロボだ。 量販店などにも積まれているうえ、神姫の主、所謂『オーナー』とか『マスター』が連れ歩き、ゲーセンやら神姫センターやらでのバトルを俺も見かけるけど、高額かつ守備範囲外だったので、いつもはスルーしている。神姫センターには寄った経験無いが。 ついキョロキョロしながら店内を散策してしまうと微中年(30代後半位?)の店員から「神姫をお迎えかい?」と聞かれた。 俺は「ぁ、ちょっと眺めてただけです」と答えた。話しかけられるのは苦手なんだよなぁ…一瞬ビクついちまったし。 ちなみに『お迎え』というのは、神姫を露骨に”物”扱い出来ない神姫マスター達による『購入』の意味。 流石に退散しようかと思っていた矢先、 カチャン なんか物音が。 ちょっと訳ありで少々物音に敏感なのでつい音のした方を見てしまう。 何か落ちたのかと棚から床にかけて視線を動かす。 なんかいる~!? 入口近くの棚と床の隙間に、何か動くものが…まさか”G”じゃあるまい!?ぃやいやそれはない、明らかに硬質な音だった。 恐る恐る近づき隙間を覗き込むと… …神姫? どうやら”G”ではなく神姫がいたようだ。”G”だったらマジやばかった…苦手なんだよ、アイツ。 よく見ると、かなり損傷しているようだ。身につけてる防具が大分破損しているっぽい。 軽く手招きしてみると、怯えながらゆっくり這い出てきた。 ぎこちない動きだったが、片腕を欠損、脚を引きずるほど弱っていたためらしい。流石に絶句したよ。 回収するや否や、店員に見せてみた。 トップページへ プッチ神父『メイド・イン・ヘブン!(次話へ)』 露伴『ヘブンズドアー!(裏話へ)』
https://w.atwiki.jp/pokecharaneta/pages/881.html
ヴァッフェドルフィンにジュゴンはどうかな? -- (名無しさん) 2010-12-18 09 30 23 オスしかいないポケモンは論外じゃないか -- (名無しさん) 2011-10-21 02 08 43 草案 フーディン:メリエンダ(スプーン型) 無理やりだが キュウコン:蓮華(九尾の狐型) レパルダス:アーティル(ヤマネコ型) ジュカイン:オールベルン(剣士型) エアームドorトゲキッス:ヴェルヴィエッタ(ビックバイパー型) -- (ユリス) 2016-03-04 22 30 18 草案 主題歌 OPテーマ ガラガラ:孤高のカタルシス EDテーマ ラブカス:か弱き十字架の愛 -- (ユリス) 2021-07-17 16 59 27
https://w.atwiki.jp/busosodo/pages/75.html
武装神姫達のソード・ワールド2.0【第1-3話】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm18046461
https://w.atwiki.jp/busosodo/pages/80.html
武装神姫達のソード・ワールド2.0【第2-1話】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm18755838
https://w.atwiki.jp/busosodo/pages/79.html
武装神姫達のソード・ワールド2.0【第2-0話】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm18534375
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/304.html
プロローグから時間は多少前後し、光矢は友人Fと共にホビーショップエルゴに居た。まだ彼の胸ポケットは空で、商品の陳列棚を見る目にも少々の呆れが見え隠れしている。 この日は友人Fの公式戦が組まれており、Fの提案によりライブで神姫のすばらしさを語ることに付き合うことになっていた。 「さ、始まるぞ。クリス、存分に暴れてやれ。光矢にも神姫の素晴しさを見せ付けてやれ」 『イエス、マスター』 普段はヘッドセットを着用して、周囲からの雑音を切り離し、マスターと神姫がセットになって戦うのだそうだ。しかしこの日Fは戦闘中継を光矢に全て見せるべく、ヘッドフォンなしで神姫ポッドの前に立っていた。当然、神姫の声は画面横のスピーカーから聞こえてくる。 光矢はFの横に立ち、3つ並んでいる画面の中央、一番大きなセンターディスプレイに目をやった。テロップが次の対戦カードを表示している。 サードリーグ 公式戦 フリッツ V アモーレ田中 クリス S ろべっち 制限時間制 ゴーストタウン 『GO』の文字が表示されると同時に、それまで静けさを保っていたフィールドが一気に加熱した。 砂埃を巻き上げ疾走するのはFのクリス。右は逆手にマチェット、左手にはサブマシンガンを携えたMMSで、頭部は赤いレンズのゴーグルと黒いガスマスクを着用している。頭から生えている(ように見える)細身の剣は、走る速度に比例して広報へと倒れていく。そして、そのシャープなシルエットに全身の黒系塗装が合わさり、疾走する姿は弾丸を彷彿とさせた。 それに対して相手のMMSは、同じく黒い色が特徴的なのだが、そのふいんき(なぜか変換できない)は真逆だった。 黒の生地に白のフリルがあちこちにあしらわれている布製の服をまとい、スカートはふんわりとした膨らみを保ったまま揺れている。頭部には同じくフリル付のカチューシャを装備し、ご丁寧に眼鏡までかけている。『メイド』を意識したその姿は、おおよそ戦闘とは無縁に思えるのだが、手にした黒い傘でクリスの連撃を捌く姿は確かに戦場に居る者の様子を備えていた。 初接敵の接近戦はビビアンに部があった。クリスの繰り出す連撃は尽く『傘』に防がれ、逆に相手はマチェットをいなしてはじいた後に、そのまま流れるような軌道で『傘』を振る。傘の石突の部分は通常のそれとは違い、研ぎ澄まされた刃になっている。近接戦闘を意識して改良された特別製らしい。 クリスの4度目の斬撃を避わしたメイドさんは次に、自分の背後にあった自分の背丈ほどの崩れたレンガの壁を宙返りをしながら飛び越えた。その際、ちらっと笑みを浮かべつつスカートを翻しその裾から何かを放った。 体勢を立て直したクリスが次に見たものは、目の前に落ちてくるボール状の物体。重い金属音を響かせて着地したソレは・・・ 「…手榴弾!?」 慌ててその場を離れるクリスだったが、あまりに唐突だった相手の『反撃』は完全には避け切れなかった。爆発した手榴弾はクリスのゴーグルを砕き、クリスからHUD(ゴーグル上に各種戦況データを示す機能)を奪った。 「ふざけた名前と格好のくせに、やるじゃん……」 初撃の失敗と報復に驚きと焦りを殺しきれないF。その横で光矢は初めて目にする武装神姫の戦いに魅入られ始めていた。 各所パーツにカスタマイズを施しているFの凄さは耳が痛くなるほど聞かされていた上、仮想戦闘プログラムでの画面も見せられていた。その時はまだ神姫に熱くなっているFへの軽い軽蔑があったが、ここでの対戦を見ればそのときのFの言動も理解できる気がしてきた。 クリスの攻撃をかわす相手のメイドは、以前どこかで読んだ漫画の人のようだ。レンガの壁の裏にふわりと着地した瞬間、壁に向けて傘を広げると、爆発で吹き飛んだレンガ片はその盾にはじかれて、本体には埃一つつかない。よく見ると、その傘の持ち手の部分も、通常とは明らかに違う形をしていた。傘の中に折りたたまれていたストックが開き、右の肩に押し付けられると同時にメイドさんはトリガーを引いた。瞬間、二度目の爆発が起きたような音と煙が上がった。ショットガンを花束に仕込むのと同じように、仕込みショットガンとでもいうのだろうか。先ほどの手榴弾といい、暗器をよく使う。 手榴弾によりHUDを失ったクリスは、ショットガンの射撃に反応がわずかに遅れ散弾を避けることができなくなり、やむなく背部のアームを展開し体の前で交差させその場で身構えた。着弾と同時に激しい衝撃が襲い、にわか構えの体勢は脆くも崩され、そのうえアームの隙間を縫ってきた細かな散弾が本体をも削っていく。頭の中をエラーメッセージが叫び、痛覚値が上昇していく。ショック状態にはならないものの、痛覚値を感覚値と切り離すための処理が大きくなり、長時間の戦闘は厳しくなった。 「クリス、物陰で機会を待て。相手に気づかれる前にマチェットを見舞ってやれ!」 『イエス、マスター。時間の余裕はあまりありませんし、早々に決めます』 相手のショットガンの銃声が6発目で止まったことを確認すると、砂埃に紛れて再び駆け出す。しかし、今度の方向は相手ではなくその左手側、無作為に投げ出されたコンテナが積みあがっている陰である。その際、移動の邪魔になると判断し、散弾で削られたアームを棄て去った。 相手のメイドは自らの作り出した砂煙で視界を失ったらしく、クリスがコンテナの陰に走りこんだ後も傘を正面に向けていた。 やがて砂煙が落ち着くと、メイドはゆっくりと傘を構えたまま前進し始めた。クリスの棄てたアームユニットに注意を払いつつ、周囲に気を張りながら臨戦態勢を崩さない。一歩毎に広がる視界を常にチェックしながら……12歩目に差し掛かったときに戦況が動いた。それまで息を殺し、コンテナの陰に隠れていたクリスが、マシンガンを放ちつつメイドの側面に飛び出したのだ。予想していた範囲とはいえ、右手に持った『傘』では防御が間に合わず、体勢を崩しながら後退した。 しかし、本業を接近戦に持つクリスの追撃は中途半端な間合いでは無いのと同等である。クリスは相手の体制が崩れるのを確認すると、左手のサブマシンガンを投げ捨て、代わりに左の太ももにぶら下げていたダガーを抜き取った。そのまま低い体勢を保ったまま、右手のマチェットと交差して傘に切りかかる。相変わらずマチェットは傘の幕を破れないが、左手のダガーは発熱設計になっており、紅くなった刃の触れた部分から一気に傘を切り裂いた。 仕込みショットガンの敗れたメイドはそのまま尻餅をつき、今度は反撃する間もなくマチェットの刃を鼻先に向けられた。 「参りましたわ、ギブアップです」 「…ハァ…ハァ、 中々手強い相手だったよ。アンタ」 * * * 「それを見て、君を買おうと思ったんだ」 「そうだったんですか、すみません気づかなくて……」 「いや、いいんだ。君が戦うの好きじゃないなら強要しないから」 殺風景な部屋で光矢とアーンヴァルの会話が続いていた。 初期起動からすぐ、光矢の見ていた武装神姫のアリーナ中継を見たアーンヴァル型神姫は「自分は争うのは好まない」と言ったのだ。それから二日間は、光矢はリーグのことを話さなかったが、アーンヴァルになぜ自分を買ったのかと聞かれ、今に至る。 「無理に戦うこともないしさ。今もこうしてライブ見てるだけでも……」 「……やります、マスター!」 「ボクは満足だし……え?」 それまで話を黙って聞いていた神姫は突然、声を上げリーグに参戦する意思を述べた。 「でも、この前は戦うのは嫌だって……」 「それはそうですけど……」 何故か顔を赤らめ、目線を泳がせる。手を握ったり指を合わせたり、俗に言う『もじもじポーズ』を取りながら、アーンヴァルは上目遣いで見上げた。 「とにかく!私出たいです。リーグ!その、戦うのは苦手だし、好きじゃないですけど…。ホラ、マスター、私のために武器とか色々作ってくれてますし、試し撃ちも家の中だけだと味気ないし、もしそれで勝てたら万々歳でマスターも私に何かうにうに……じゃなくて。とにかく、出してもらえませんか!?」 あまりに必死な懇願に、しかし自分のやりたかった希望を提案され、光矢は「よし、それじゃぁやってみようか」と答えた。 その翌日、リーグに参戦するに当たって神姫に名前をつける必要があることをFから聞いた光矢は、その日の夜に自分の神姫に名前を贈った。 「クラウ・ソナス。神話に出てくる光の剣で、絶対に負けないっていう由来なんだ」 その後の結果はプロローグでも触れたとおり、2週間経っても未だ勝ち星なしである。 彼らの挑戦はまだ始まったばかりである。 ~続く~
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/627.html
「マスターじゃない!!『お兄ちゃん』だっっっ!!!」 しばし沈黙。その後にハウリンは口を開く。 「…お、お兄ちゃん…ですか…?」 「そう、お兄ちゃん」 またしばし沈黙。 「マスターでは…ないのですか…?」 「マスターだけどお兄ちゃん」 そして、またしばしry 「で…では、マスターはあなたでいいんですよね?そして呼称はお兄ちゃん、と?」 「うん、そういうこと! あー、あと名前だよな。ちゃんと考えといたんだ、『ぽち』!どうだ、いいだろ!」 「ぽ、ぽちですか、犬のような名前ですね…」 「もしかして、いやだったか…?」 俺が不安そうに聞く。 「そんなことないです!マス…お、お兄ちゃんが付けてくれた名前だからうれしいです!これからよろしくお願いしますね、…お兄ちゃん」 「そっか!ならよかった!よろしくな!」 いや、しかしこいつは思った以上に可愛い。顔赤くして「お兄ちゃん」は反則だろう。まぁ、俺が呼ばせてるわけだけども。 と、そんなことを考えていると。 ―ピンポーン 「こんちわー、佐川急便でーす」 本日二度目の宅配便。俺は何が届いたか、わかっていた。 「お、ぽち、妹が来たぞ!おいで!」 そう言ってぽちに手を差出しつつベッドの上に置いてあった財布を掴む。 「妹?…ですか?」 ぽちは不思議そうな顔をしながら首を傾げている。うん、可愛い。 ぽちを手に乗せ、俺はまた玄関に向かった。 さて、また段ボール箱が一つ。今度の箱には「武装神姫・マオチャオ」と書かれている。 「マ…お兄ちゃん、もしかして妹とはこのマオチャオタイプのことですか?」 箱の上に移動したぽちが聞いてくる。 「お、さすが察しがいいね。そう、こいつがおまえの妹だ!ぽちの妹にするためにわざわざ配送時間をずらして指定したというわけよ。」 部屋につき、ぽちは床にひょいっと飛び降り、 「そ、そうなんですか。でもそれなら起動させる時間をずらせばよかっただけなのでは…?」 と的確なツッコミをくださった。 「言うな。俺も今そう思ったけど言うな。それより、早速起動させてやろうじゃないか。」 俺は誤魔化すように、箱を開封していく。 「おはよー!きみがますたー?なんだかちっちゃいねー!」 そう言ってぽちに話掛ける猫型MMSマオチャオ。天然ですかー? ぽちはなんだかびっくりと困ったが混ざったような顔をしている。 「いやいや、俺を無視しないで欲しいかなー、なんて」 こちらから声をかけてみる。 「おー、あなたがますたーだね!なんだか違うと思ったんだよー!で、で!なんて呼べばいい!?あとあと、名前ちょーだい!」 元気な子だなー。マオチャオってのはみんなこう元気なのか?そんなことを考えつつ、答える。 「よし、お前の名前は『たま』!俺のことは『兄ちゃん』だ!」 「おー!ねこみたいでかわいーねー!たまはたまだぁ!へへ、ありがと、兄ちゃん!よろしくね!」 たまはそう嬉しそうに言った。喜んでもらえて何より。 「あぁ、よろしく。ちなみにこっちがぽち。お前のお姉さんだ。」 そう紹介する。 「ぽちです。よろしくお願いしますね、たま」 「うん!よろしくね、姉ちゃん!」 「姉ちゃん…妹っていうのも悪くないですね。」 仲良くできそうで何より。これからの生活、楽しくなりそうだな。 つづきかねない
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/2742.html
キズナのキセキ ACT1-28「すべてがつながるとき」 ◆ 形勢は逆転していた。 マグダレーナが攻め、ミスティが下がる。 マグダレーナが切り札と言うだけあって、長剣ソリッドスネークは尋常でない破壊力を秘めていた。 「シャアアアアァァッ!!」 しわがれ声で放たれる気合いは、まるでガラガラヘビの威嚇音のようだ。 振るわれた長剣が蛇のようにうねり、ミスティに襲いかかる。 「くっ……!」 エアロヴァジュラを立て、受け流すように防御する。 耳障りな音を立てて迫るソリッドスネーク。刀身をいくつもの刃に分裂させ、次々にエアロヴァジュラと接触する。 なんとか防ぎきった。 ほっとするのも束の間、ミスティはぞっとする。 手にした刀は、ガタガタに刃こぼれしていた。これでは刀として斬る用をなさない。 「……なんてこと」 刃の強度が違うのだ。エアロヴァジュラはソリッドスネークの刃に負けてしまっている。 防戦に回っては不利だ。 「……ならばっ!」 ミスティはボロボロの刀を振り上げ疾走する。 攻めに出て、形勢を取り戻す。刃こぼれしていてもまだ使える。斬るのではなく、叩きつける。 ミスティは一気にマグダレーナの間合いに踏み込んだ。 しかし。 「……っ!!」 またしても耳障りな音と共に、ミスティの視界をソリッドスネークの蛇腹が横切った。 落ち着きを払ったマグダレーナによる操作で、ソリッドスネークは彼女を取り巻くように動いている。 まるで刃の結界。三六○度、隙はない。 「おおぉっ!!」 それでもミスティは、力任せにエアロヴァジュラを振り下ろした。 ソリッドスネークが宙を走りながら、その一撃を受け止める。 逆に、流れる連結刃がその一刀を次々と襲う。 ついにエアロヴァジュラが粉々に砕け散った。 「……くそっ!」 素早く間合いを取りながら、手に残った柄をマグダレーナに投げつける。 しかし、それもソリッドスネークの餌食になった。空中で粉砕され、マグダレーナに届くことはない。 その様子を睨みながら、ミスティはソリッドスネークの間合いの外へ退いた。 左の副腕にマウントされていた予備のエアロヴァジュラを抜き取る。 だが、この予備の刀もどれほどに役に立つものか。 あのソリッドスネークという武器はやっかいだ。 攻撃には縦横自在の動きで圧倒してくる。連なる刃による連続攻撃をはまるでチェーンソーだ。迂闊な防御は役に立たない。 防御にも力を発揮している。マグダレーナを取り巻くように動いて、近寄らせない。迂闊に近寄れば、なます切りになるだろう。まさに攻防一体の防御陣だ。 ソリッドスネークの動きは武器の域を越えて、まるで生き物のように思える。意志を持った生き物のように。 「……まさか……」 ◆ 「なにあれ……まるで生きてるみたい……」 涼子の感想は、奇しくもミスティと一致していた。 蛇腹剣・ソリッドスネークは、まるで意志を持つ蛇のごとく、ミスティを攻め、マグダレーナを守る。 マグダレーナの操作は超絶と言えよう。対峙した状態でも、ソリッドスネークの剣先は、ミスティを威嚇しているように見える。 まるで獲物に飛びかからんとする蛇の様相。 「……まさか……!」 美緒は思わず声を上げていた。 「まさか、ソリッドスネークも……あれも神姫……!?」 「……っ!」 その場にいた全員が息を飲む。 考えられないことではない。いや、その可能性の方が高い。 あれほどに意志を持った動きをするマグダレーナの武器ならば……『マルチオーダー』の支配下にあると考える方が自然だ。 だとすれば、マグダレーナは特殊スキルの一つを取り戻したことになる。 そして、ミスティは二人の神姫を相手にしているのと同じだった。 ソリッドスネークの動きはマグダレーナの操作ではない。ソリッドスネークという神姫の意志だというならば、あれほどに意志の宿った動きにも納得がいく。 対するミスティは、この短い間に圧倒的な劣勢に追いつめられていた。 「勝てるのかよ、ミスティ……」 弱気な言葉を口にしながら、有紀はそっとチームリーダーの顔を見た。 このバトルでミスティの有利を作り続けたその男。 遠野貴樹は無言のまま、戦況を睨み続けている。 ◆ これまでの鬱憤を晴らすかのように、マグダレーナが攻めに出る。 ミスティは焦燥にかられながら、回避するので精一杯の状況だった。 ミスティの武装はすでにボロボロだ。 背面にあったアサルトカービンもすでになく、二本目のエアロヴァジュラも刃こぼれでガラクタ同然。 人工ダイヤの爪はさすがに健在だった。だが、蛇腹剣の一撃をはじいた後、爪を装備した副腕の指は軸が歪み、まともに動かなくなっていた。 装甲にはすでに無数の傷が付けられている。両足の装備が健在で、いまだに滑走していられるのは僥倖という他はない。 あるいは、マグダレーナが意図的に脚に攻撃していないだけかも知れない。奴は「楽には殺さない」と宣言している。 市販品の装備をいくらカスタマイズしても、破壊に特化した特別製の装備に対しては、これが限界だ。 攻撃を捌くのも、いいところあと二回が限度。その前に攻撃にまわり、マグダレーナを倒さなくては、そもそも攻撃の手段を失ってしまう。 しかし、ソリッドスネークを用いた攻勢防御に隙はない。 無理に踏む込めば、ミキサーに飛び込むがごとく、粉砕されるのがオチだ。 「どうすりゃいいってのよ……」 思わず転がり出る弱気。 その逡巡こそ、隙だった。 「……しまった!」 鋼の蛇が襲い来る。 這っていた地面から一息に跳びかかってくる。 反射的に前に出した左の副腕は防御の態勢。 だが遅い。超硬度を誇るソリッドスネークに対し、市販品程度の装甲では防御にならない。左副腕は絶好の餌食だ。 鋼鉄の大蛇の牙が迫る。 鋭い切っ先がまるで飴細工のように、ミスティのカウル状の装甲を引き裂く。 蛇腹の動きは止まらない。 ミスティは苦渋の表情で副腕を捨てる覚悟をする……しようとしたその時。 「なに……っ!?」 驚きの声を発したのはマグダレーナだった。 緑色の装甲を引き裂かんと、蛇腹剣が絡みつこうとした。 が、その瞬間、澄んだ音を立て、蛇のうねりがはじかれたのだ。 ありえない。 市販品の武装パーツごとき、ソリッドスネークで引き裂けないはずがない。 その証拠に、カウル状の腕アーマーはズタズタだ。 驚いているのはミスティも同じだった。 絶体絶命の攻撃を跳ね返した原因に心当たりはない。不思議に思いながら、左の副腕に視線を向ける。 そこに、発見した。 「……なにこれ?」 引き裂かれた装甲の陰、ねじくれたような形の黒光りする金属の棒が覗いている。 剣だ。 黒い刀身を持つ一本の剣。 ミスティは右の副腕を使って、ズタズタに引き裂かれた装甲を剥がす。 装甲の中に剣がマウントされていることなど、ミスティは知らなかった。おそらく、菜々子も知らないだろう。 剣の姿が露わになる。独特の形をした黒剣。 長さはエアロヴァジュラとさして変わらない。フォルムも似ているような気がする。 特徴的なのは、柄尻から先にナイフほどの短い刀身が伸びていることだ。極端な長さの違いはあるが、双剣になっている。 そして、ソリッドスネークの攻撃を受けたというのに、刀身には一点の曇りもなかった。 ミスティは既視感のようなものを感じた。初めて見る剣だというのに、どこかで見たことがあるような感じ。例えればそれは「懐かしさ」であろうか。 ミスティは手を伸ばす。柄を握る。 剣は、あっけなくはずれ、ミスティの手に収まった。 まるでミスティのためにあつらえたかのように、ぴったりと手に馴染む。 しかし、ミスティのメモリーに、この剣のデータはなかった。 この剣はいったい……? □ やっと姿を現したか。 俺が準備していた、最後の切り札。それがあの剣だった。 使わないならそれに越したことはないと思っていたが。 「なんだ……あれは……剣か?」 大城の戸惑うような問いに、俺は頷く。 「ああ、餞別だよ。日暮店長からの。……伝説の剣だ」 ヘッドセットの正体を突き止めるために、日暮店長を訪ねた時、彼に渡された小さな木の箱。 その中に入っていたのが、今ミスティが手にしている黒い剣だった。 「伝説? 何言ってんだ、遠野、こんな時に……」 「知らないか、大城? ……以前、オーメストラーダ社のデザイナーが私費を投じて、個人制作の新型武装神姫を発表した。 女神をモチーフにした神姫で、前評判も高かったが……あまりの完成度の高さゆえに、生産コストが釣り合わず、コンセプトモデルまで発表しておきながら、結局お蔵入りになった」 「……おいおい! それってほとんど都市伝説だろ!?」 「だから言っただろう、伝説の剣だと」 大城は知っていたらしい。 しかし、八重樫さんたち高校生のチームメイトは首を傾げている。 だから俺は説明を続けた。 「その完成度の高さは、その神姫にセットされる予定だった武装も例外じゃなかった。 ショートライフル、長刀、そしてCQCソード。 その武装神姫の発売中止とともに、サンプルとして生産された神姫本体と武装のサンプルがごく少数、市場に流れた。 その神姫は、信念の女神をモチーフにしていたという。 そして、彼女の持つ三つの武器は、信念を貫く者に応えると伝えられた」 「それじゃあ、あの剣は……」 「そう。あの剣こそ、信念の女神の剣……CQCソード、その名は『ブラックライオン』」 「ブラックライオン……」 「『エトランゼ』にはぴったりの剣だろう? イーダ型のデザイナーの手による、最高の完成度の武装。 何より、ブラックライオンは……信念を貫く者に応えるのだから」 だが、そう言うと同時に、俺は不安を感じている。 武器の強度は同等以上、それはいい。 しかし、ブラックライオンとソリッドスネークではリーチの差が圧倒的だ。 あのソリッドスネークをかいくぐり、マグダレーナを倒しきる方法を、俺はどうしても思いつけない。 俺が策を届けられるのはここまでだ。あとはもう、戦場の二人に託す他はなかった。 ◆ マグダレーナの力任せ攻撃を、ミスティは冷静に捌き続けていた。 この冷静さは例の特訓で身につけたものだ。武士道モードの本領発揮である。 逆に、マグダレーナの方は自分が優勢であるにもかかわらず、ムキになっていた。 攻撃が単調になるのもかまわず、ソリッドスネークで打ちつける。 それをミスティが的確な動きで受け流している。 ブラックライオンの強度は、ソリッドスネークを上回っている。ブラックライオンは何度も攻撃を受けているというのに、漆黒の刀身には曇り一つない。逆に、ソリッドスネークは小さな刃こぼれがわずかながら確認できた。 ついにマグダレーナが攻撃を止める。策もなしに、力任せに斬り付けていても、今のミスティは崩せないと悟った。 間合いを取り、蛇腹剣を下段に構える。長い刀身が地面に垂れるが、剣先だけはミスティを威嚇するように首をもたげている。 ミスティはほっと吐息をついた。 彼女は内心、追いつめられていた。 ブラックライオンは確かに頼りになる武器だ。しかし、ソリッドスネークの自在な動きとリーチの長さは未だ健在である。 そして、それをかいくぐる術もないし、たとえマグダレーナと接敵しても、奴を倒しきる方法もない。今のままでは、いずれソリッドスネークの餌食になってしまうだろう。 劣勢なのは未だ自分の方だ。 それを思い知り、焦る。 たとえ刺し違えても奴を倒さなければ。 思い詰めた思考回路がそんなことを考えたが、ミスティはすぐに否定する。 ……いや、刺し違えるのではダメだ。 わたしが壊れてしまったら、ナナコはまた深く傷ついてしまう。今度は二度と立ち直れないかも知れない。 そんなのはダメだ。 マグダレーナを倒し、勝たなくては。 ミスティは心の中で苦笑する。 なんてハードなオーダーなのかしら。 でも、やりきらなくてはならない。いえ、やりきってみせる。 必ず勝つ。 ナナコを守るために。 それが、最後のパスワード、だった。 ミスティのコアの奥深くで、何かの認証がなされた。 (……なに……?) ミスティの視界の中に、文字が書き出されてゆく。 〈意識水準チェック……OK〉 〈技術水準チェック……OK〉 〈装備水準チェック……OK〉 〈基準条件ロック解除、ファイル解凍開始〉 その表示が出た瞬間、ミスティは自分の身体の奥底で、何かが開く音を確かに聞いた。 その刹那。 緑色に発光する0と1の無数の羅列が、音がした部分から間欠泉のように噴き出してくる。 その0と1は、ミスティの未使用のリソース部分に書き出され、ものすごい勢いで整然と並んでいく。 ミスティが意識すれば、視界はグリーンディスプレイのように緑の文字で埋まる。 意味のなかった二文字の羅列が意味をなす。 急速に書き出されていくそれは…… (戦闘プログラム!?) 記憶野の奥深くに隠されていたのは、戦闘プログラムの圧縮ファイルで間違いない。 突然の出来事に目を見張っていたのは、実はほんの一瞬のことだったようだ。 気がつけば、書き出されたプログラムの最後にカーソルが点滅している。 プログラムの最後は付加された注意書きで締められていた。 ミスティはその文字に視線を走らせる。 --------------- わたしのコアを受け継ぐ神姫へ マスターが考案し、わたしが組み立てた、この技。 心、技、体……すべてのプロテクトを解除したあなたには、この技が使えるはずです。 この技が、わたしの最愛のマスター・久住菜々子を守ってくれることを願って。 ミスティ --------------- 初代。 「……姉さん!」 ミスティは無意識のうちに、そう叫んでいた。 同じだった。 嫌っていた初代、彼女の想いもまた、二代目の自分と同じだった。 菜々子を守りたい。 この世にたった一人のマスターを傷つけたくない。もうこれ以上、傷ついて欲しくない。 いや、本当はわかっていた。 ミスティのくだらない劣等感が、初代の想いどころか存在すら拒否していた。 初代はずっと、わたしに手を差し伸べていたはずなのに。 ティアの言葉を聞いていれば、きっと、もっと早く分かったはずなのに。 そして。 こうして伝えられた想いの強さに、今、ミスティは感動さえ覚えていた。 これは奇跡だ。 時を越えても、身体が他の神姫のものになっても、心さえ自分のものではなくなっても、それでも。 最愛のマスターを守りたい、と。 その尊い想いは、確かにミスティの胸に伝わった。 これが奇跡でなくてなんだというのか。 ふと気配を感じ、ミスティは顔を横に向けた。 すぐ隣に、薄く輝きを放つ、白いストラーフが立っている。優しい眼差しでミスティを見つめていた。 初めて見るその神姫を、ミスティは知っていた。 彼女こそは、久住菜々子が初めて所有した神姫。 初代ミスティ。 イーダのミスティの……姉のような存在。 ミスティは真剣な、しかし脅えをはらんだ瞳で、姉を見つめた。 「ごめんなさい、姉さん。 今のわたしじゃ、あいつを倒せない。 ナナコを、守れない。 だから……一緒に戦ってくれる? わたしたちのマスターを守るために。 ……お願い、力を貸して」 ミスティはおずおずと手を伸ばす。 白いストラーフの手がゆっくりと伸びて、ミスティの手をしっかりと掴んだ。 ミスティは少し安堵したように微笑する。 すると、ストラーフのミスティは、にっこりと笑い、そして寄り添う。 白い影がほどけてゆく。 緑色に発光する、無数の0と1の集合へと変化する。 それが一陣の風となって、ミスティの小さな胸に流れ込んだ。 同化する。 戦闘プログラム・インストール完了。 それは、ストラーフのミスティ最後の技。 その名を『花霞(はながすみ)』という。 「完璧だわ……」 かつて、誰かが言った。 技は絆の証だと。 ならば、託されたこの技は、初代と自分をつなぐ絆。 ミスティを名乗る神姫に受け継がれる想いの結晶。 かつて、ミスティがもっとも尊敬し愛する神姫が、言っていた。 神姫の名は誇りだと。 ならば、わたしも誇りを抱こう。 菜々子の神姫として、ミスティの名を継ぐことに! いま、すべての絆がつながった。 ミスティは仰いでいた顔を戻し、正面を見据えた。 いぶかしげな表情のマグダレーナがそこにいる。 瞳に宿るのは、強い意志。 これ以上ないほどに心は燃えていたが、意識はひどく冷静だった。 これもあの合宿の成果……武士道モードのおかげなのか。 ミスティは現状を分析する。 武器の強さは互角。 マグダレーナを倒す最後の一手もある。 だけど、足りない。 ソリッドスネークのリーチを無効にし、マグダレーナ本体に接近する方法がない。 ミスティには策がない。 ならばどうするか。 その策を考えるのは……そう、マスターの役目だ。彼女ならば、いい手を閃くに違いない。 そう信じて、ミスティは叫んだ。 「ナナコ! 桜散らすわ! どうする!?」 菜々子はその一言に、びくりと身体を震わせる。 わかった。菜々子にはその一言だけですべてが理解できた。 今、この一瞬の間に、ミスティが何を見て、そして何を得たのかを。 そして、ミスティが菜々子に何を求めているのかも。 「ミスティ……」 菜々子は俯き、吐息のようにその名を呼ぶ。 かつて心を救われ、家族として愛した白い神姫を想う。 ありがとう。今もわたしを助けてくれるのね。今のミスティも大事に想ってくれて……ほんとうに、ありがとう。 今、菜々子は実感していた。 わたしは独りではない。 武装神姫を通して出会った人たち、出会った神姫たちに支えられ、今ここに立っている。 そして、決してわたしを見捨てないでいてくれる……わたしの神姫、二人のミスティ。 自分とつながるすべての絆……それは、どれほどにかけがえのないものだろう。 愛する人が、わたしに教えてくれた。 そう、それが、それこそが。 『エトランゼ』を名乗るわたしの本当の力……! 菜々子は顔を上げる。 その瞳には強い光が宿っている。まっすぐに決然として前を見た。正面に立つ……桐島あおいを。 あおいは一歩、後ずさる。それは無意識の行動だった。 彼女はたじろいでいた。 目の前にいる人物は、あおいの知る菜々子ではない。 『エトランゼ』の異名を持つ神姫マスター・久住菜々子の本当の姿……かつて、あおいが追い求めた理想を叶えた、真の神姫マスターの姿だった。 「見てください、お姉さま。これが、わたしのたどり着いた答え……。 理想は形に……絆は力に……お姉さまに教わったことは全て正しかったと……その証明です!」 揺るぎない意志を言葉にする。 言い切った菜々子は、自らの神姫に視線を送る。 そして叫んだ。 「ミスティ! 亡霊と踊りなさい!」 その場にいた誰もが、菜々子が何を叫んだのか、その意味するところを理解できない。 だが、それでいい。 ミスティは思っている。菜々子の「無茶ぶり」を理解できるのは、菜々子の神姫・ミスティだけ。 これこそ『エトランゼ』流の『アカシック・レコード』封じだ。 それにしても、まったく、なんてヘビーなオーダーなのかしら。 ミスティの口元に笑みが浮かぶ。 苦笑、ではない。挑戦的な、不敵な微笑。 もう、負ける気がしない。 ミスティは応える。 「応っ!」 ミスティは天に向けて指し上げた黒剣を、左右に鋭く振るう。 剣風が、舞い散る花びらを吹き散らす。 さらに振るう。振るう。 剣を持って舞う。舞い踊る。 ミスティの剣の舞に吸い込まれるように、桜吹雪が渦を巻く。 無数の花弁が、ミスティを押し包んでゆく。 緑色の神姫の姿が、薄紅色に霞む。 その場にいた皆が、ミスティを見つめていた。彼女の舞に、目を奪われている。 渦巻く桜吹雪。 中心にいるミスティの口元には、笑みさえ浮かんでいる。 ミスティを包む薄紅色はどんどんと濃くなり、やがて彼女の姿を覆い隠すほどになる。 まるで桜の花びらの竜巻。勢いはいや増すばかり。 そして、誰もが息を止めたその瞬間。 タン、という音ともに、ミスティが渦から一歩外に踏み出す。 すると。 桜の花びらが、膨らむように舞い散った。 広がり、はらはらと舞い落ちる花弁。 拡散する桜吹雪の中心。 剣を構えたミスティがいる。 その姿はまるで、ミスティが満開の桜の木に変身したかのよう。 マグダレーナはその光景に心奪われていた。 そして、神姫に対する初めての感情を抱く。 美しい、と。 「覚悟はいいか、『狂乱の聖女』マグダレーナ!」 ぼう、と見とれてしまっていたマグダレーナの意識を、ミスティの一喝が現実に引き戻した。 ミスティはまっすぐにマグダレーナを見据えている。 凛、と叫んだ。 「久住菜々子が武装神姫、『エトランゼ』のミスティ! 推して参る!!」 次へ> Topに戻る>
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/779.html
激烈なる拳──あるいは決勝その一(中編) そうしてボク・槇野梓とロッテお姉ちゃんは、決勝ブロックの舞台へ 上がっていったんだよ……でも、クローズアップされるのはこの後。 この第一回戦を勝ち上がった八人で再度組み合わせ抽選が行われて、 そこから大々的な演出が行われるんだよ……ここはまだ入口だもん。 と言っても、専用のヴァーチャル型バトルフィールドは大きいけど。 「それじゃ行くぜ、リアル系!ちょこまかすんじゃねぇぞッ!!」 「いえいえ、全力で参りますの。それじゃあ……始めましょう!」 『ハンゾー・ヴァーサス・ロッテッ!!レディ──────ゴー!!』 『“W.I.N.G.S.”……Execution!』 「変身、しやがったっ!?」 「流石に“フィオラ”のままでは、勝てませんの」 戦闘開始と同時にロッテお姉ちゃんは、瞬時に“Heiliges Kleid”へと 変身するんだよ。流石にこれはハンゾーさんも驚いたみたいだけど…… 何か、ハンゾーさんも妙なポーズを取ってるんだよ。腕組み……かな? ちなみに舞台設定は何故か、古い採石場の様な谷底の荒れ地なんだよ。 「そっちが変身するなら、こっちも行かせてもらうぜ!!」 「え、空間のゆらぎ?ううん……これって、“気”ですの!?」 「行くぜ!“猫獣装着”!!」 カンフー等での手を合わせるポーズから右の拳を突き出す、“非武装の” ハンゾーさん。その瞬間、躯から発散される紅い物が形になったんだよ。 それは“サバーカ”くらいは優にある、巨大な一匹のぷちマスィーンズ! しかもそれは各部で分離されて、純正のマオチャオ風パーツとして合体。 あっという間に、ハンゾーさんは格闘型の“武装神姫”になったんだよ。 「マオッ……タイガー!!!」 「まるで、戦隊ヒーローのロボットですの……!」 「ハン、どうだサード野郎。セカンドの俺が羨ましいか?」 「……常に憧れてはいます。でも、羨望はしませんの」 「言うじゃねぇか。ならスーパー系の威力、味わえッ!」 そう言うと後ろの空間がもう一度揺らいで、二機のぷちマスィーンズが、 ハンゾーさんに付き従ったんだよ……いや、正確には“ぷち”じゃない。 神姫に覆い被さる事も出来る、そのサイズと容姿は……“ビースト”ッ! 「黄色と青……これが、今回のハンゾーさんが使う武器、ですの?」 「そういうこった。ゲキジャガーとゲキチーター、行けッ!!」 「Grrrrrrrryyyyyyaaaaaaaaaa!!!」 「早いっ!?このライフルで……怯まないですの!?」 ロッテお姉ちゃんは後退しつつも“ムラクモ”で制圧射撃を掛けるけど、 俊敏な四肢と鋼の皮膚で武装した“ゲキビースト”達は、物ともしない。 “アサルトキャリバー”の高速ローラーダッシュも、この不整地では多少 駆動率が劣る……その隙に、ハンゾーさんが高速で接近してきたんだよ。 「まずは一撃……喰らえ、ゲキワザ“激気打”ッ!!」 「きゃあっ!?そんな、“Heiliges Kleid”の装甲服が……!?」 「痛ぇなぁ……縁が刃物になってんじゃねぇか、その服ッ!!」 「こういう服ですから。それよりも、わたしはまだ生きてますの!」 拳の一撃で、鋼鉄のメイド服はあっさりと砕け散るんだよ。でも、ボクは 見逃さなかったよ。彼方としても、そのパワーで強引に砕いているだけ。 恐ろしい力だったけど、コートのエッジ自体が効かない訳ではない……! だからボクはすぐに、サイドボード部分の起動コードを入力したんだよ。 「ロッテちゃん、3sm後退してジャンプ。出来るだけ引き寄せて!」 「梓ちゃんわかりましたの、さぁハンゾーさんこっちへどうぞッ!」 「ちょこまか逃げんじゃねえ!一気にブッ倒してやるぜっ!!」 『……ん?いけないハンゾー、深追いするな!』 「あん?!逃がす訳に行くかよッ!」 カウント・ゼロまで五秒。後退用ブースターまで駆使して引き寄せて、 一気に跳躍。ボクらの目論み通り、ハンゾーさんと獣達はそれを追って 飛びかかってきた……ここで彼女らは“刃の罠”に、嵌ったんだよッ。 コンマ数ミリで殴られる、その僅かな隙に……“SSS”が転移する! 『Plug-out!』 「うわあああっ!?服が、弾け飛びやがった……痛ッ!」 「Gyaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!?」 「“スヴェンW”とライドボード、展開して!着装しますのッ!!」 “Heiliges Kleid”のパージ機能によって、エッジの効いた刃と一緒に 弾き飛ばされるハンゾーさん。だけど流石に致命傷には至っていない。 この強靱さこそがセカンドの真髄なのかもしれないもん。でもそれは、 全力を尽くそうというロッテお姉ちゃんだって同じ事なんだよ、うん。 「“光と闇の舞い”、受けてみて下さいのッ!」 「さっきのレーザー攻撃か、あんなモン喰らわねぇぜ!」 「確かに……ハンゾーさん相手で、普通に撃つのは無理ですの」 「……分かってるなら、往生しなッ!!」 “Valkyrja・Skjald-maer・Phase”の姿を現したお姉ちゃんは、すぐに マントを振り解き、バインダーと翼を展開して蒼い空へと舞い上がる。 そして両肩のシールドを展開して、チャフを放出。ここまでは、同じ。 更にロッテお姉ちゃんは、その手にあるミサイルランチャーを掲げて、 上下に勢いよく開いたんだよ。そこにあるのは……無数の煙幕弾ッ!! 「CMMランチャー“ギャッラルホルン”、フォイエルッ!!」 「おうわっ?な、なんだこりゃ!くそ、煙てぇじゃねえか!」 『下がるんだ、ハンゾー。ロッテちゃんの狙いは……!』 「うっせぇ!そう言っても、この煙の中じゃ見えねぇッ!」 装填されていた六十数発を一斉に爆裂させ、周囲を暗い煙で包み込む。 即ちこれが“闇”。そう……“光”の雨を覆い隠す、夜の帳なんだよ! 「多次元測距レーダーアーム、観測終了。チャージ、完了ですの!」 「なん……だって!?」 「レーザーガンポッド、照準セット……フォイエルッ!!」 「のわぁああああぁっ!?」 「Grrrraaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!?」 黒い煙の中に幾本も打ち込まれる、小型レーザー砲による“光”の雨。 これで勝てた……とはあまり思えなかったんだよ。だってまだ、二匹の “ゲキビースト”がどうなったかが、分からないもん。そして懸念は、 まだ立ちこめる煙を渦巻かせ、有り得ない形で具現化していくんだよ! 「てんめぇぇぇぇぇぇ……赦さねぇぞ!ジャガー、チーター!!」 「まだ生きてる……何か、凄いプレッシャーを感じますの!?」 「あったりめぇだ!覚悟しろ、“猫獣合体”ッ!!」 ──────それは猛々しい、野獣の象徴なんだよッ。 次に進む/メインメニューへ戻る
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/19002.html
聖邪の共演 ラビリンス・ヘル SR 光/闇文明 (15) サイキック・スーパー・クリーチャー:エンジェル・コマンド/デーモン・コマンド 15000 ■このクリーチャーが相手プレイヤーを攻撃してブロックされなかった時、攻撃の後、バトルゾーンにある自分のコマンド1体につき、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。 ■相手は、このクリーチャーがブレイクするシールドの「S・トリガー」を使えない。 ■T・ブレイカー ■リンク解除(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、そのサイキック・セルのいずれか1枚を選んで超次元ゾーンに戻し、残りのカードを裏返す) 覚醒リンク前⇒《虚偽の論理 XENOM・ロジック》(上)《永遠の堕天 エタニティ・HEAVEN》(下) 作者:123 関連 《偽りの星夜 オレオレ・ダークネス》 収録 DMSX-07 「サイキック・ヒーローズパック」 評価 名前 コメント